アニメやゲームがもう少し楽しくなるブログ

アニメやゲームを楽しむうえで、これを知っていたらもうちょっと楽しめる!という知識や、ちょっとした考察なんかを書いているブログです。

シヴァってどんな神様?ゲームで神話解説インド神話編

破壊神シヴァ

f:id:mattairakun:20200423190647j:plain

シヴァ。イケメン。



どうもどうも、今日も今日とてへーでございます。

本日はインド神話から、破壊神シヴァの解説です。

取り消すものだったり、恐ろしい者だったり、穏やかじゃない呼び名が沢山ある彼ですから、その性質も推して知るべしってとこですな。

 

では早速、解説していきましょう!

 

案外なじみ深い所に居るシヴァさん。

f:id:mattairakun:20200423203412p:plain

大黒様。彼は農業の神で、漁業の神恵比寿様と1組で現わされることがあります。

さて、彼は先に申し上げました通りインド神話の登場人物なわけですが、この神話は仏教、ヒンドゥー教バラモン教等に多大な影響を与えておりまして、我々日本人としても、案外なじみ深い神様だったりします。

 

たとえば大黒天大黒様大自在天なんて言うと割と聞きなじみがあるのではないでしょうか。

 

さらに彼は、荒々しいイメージとはギャップがありますが、財の神だとも言われていて、国や宗教、宗派によっても様々ですが、福の神として信仰されていたりもします。

日本では有名な七福神において、打ち出の小づちを担いでいるのがこの人だったりします。

おもしろいですねぇ。

 

シヴァにまつわるエピソード

シヴァについて、破壊神と紹介しましたが、その性質は破壊と再生です。

というのも、彼は元々暴風雨を司っている神です。

暴風雨といえば、大変な被害を出した後には肥沃な大地を生み出し、次の生命を育む土壌を作ります。

そんな自然の摂理を表しているのが、まさに彼といえるでしょう。

それでは、いくつかエピソードを紹介していきましょう。

 

天地創造神話におけるシヴァ

f:id:mattairakun:20200423205213j:plain

乳海撹拌の図

乳海攪拌 - Wikipedia

 

インド神話には、乳海撹拌(にゅうかいかくはん)という創造神話があります。

ざっくりと解説すると、神々が力を失っていた時がありまして、その際にアスラという神が攻めてきたので、どうにか力を取り戻さなきゃいかんということで、不老不死の薬アムリタを作るために行った儀式ですね。

(そもそも アムリタをめぐって起きた争いとする説もあります。)

 

その方法として、大海をかき回すことになったんですが、その際に、ヴィシュヌが亀の王クールマになって海からが棒を支え、巨大な蛇の姿をした竜の王ヴァースキが綱代わりに巻き付き、それで撹拌することになりました。

その時、あまりの苦痛にヴァースキは猛毒を振りまき、あやうく世界が滅びそうになったところでシヴァがその毒を全て飲み込み、なんとか事なきを得ました。

 

シヴァといえば青い肌で描かれることがありますが、この時の毒の影響で青くなったそうです。

 

 妻パールバティーとの馴れ初め

シヴァは母性神パールバティーと結婚し、二人の間には富と繁栄の神ガネーシャが生まれます。二人が結ばれるエピソードも、彼の破壊と創造の特性がよく現れています。

 

ある日、インドの神々は悪魔アスラの悪行に悩まされていました。

(インド神いつもアスラに困らされてんな。)

アスラを倒せるのはシヴァとパールバティ―の子供だと言われていましたが、その時シヴァはヒマラヤ山脈で瞑想にふけっていました。

修行に没頭している彼はパールバティーに一切興味を持たなかったので、痺れを切らしたインドラ神は、シヴァの元に愛欲の神カーマを派遣します。

彼はシヴァとパールバティーを結び付けるために、瞑想中のシヴァに欲望の矢を放ちました。

見事矢は的中、シヴァの心を乱すことに成功しますが、直後その原因に気が付いたシヴァは、第三の目の目から炎を放ち、カーマを焼き尽くしてしまいます。

 

カーマの努力が実ったのか、その後二人は結ばれることになり、その際にカーマはシヴァの手によって復活することになりました。

 

最後に+神話雑学

さて、今回は破壊神シヴァの解説でしたー!

いかがだったでしょうか。

インド神達の物語も面白いですねー。

あと個人的に○○天って名前好きなんですよね。

今回出てきていないところで言えば韋駄天、梵天毘沙門天とか。

 

あとは日本の戦国時代に山本勘助が信仰していた摩利支天織田信長が名乗った大六天魔王などもありますね。

 

大六天というのは仏法を滅ぼすために釈迦を襲ったりしたんですが、そのあたりを知っていると、大六天魔王と名乗ったところから、様々な想像ができるようになって非常に面白いです!

 

それでは、今日はこのあたりで終わりにしようと思います。

お疲れさまでした。

 

 

Twitterもやってます。

アニメやゲームのキャラ解説、武器やアイテムの元ネタ、アニメのエピソードやセリフの考察など、なにか気になることがあれば是非お申し付けください!

twitter.com

メタトロンってどんな天使?ゲームキャラで神話解説天使

元人間の天使メタトロン

 

f:id:mattairakun:20200421020545j:plain

パズドラより闇メタトロン

どうもどうも、へーです。

今日は知る人ぞ知る超巨大な天使メタトロンの解説をしたいと思います。

彼はその巨大さもそうですが、かなり異色な天使です。

天使について多少知っている人であれば、名前からすでに違和感を感じるかもしれません。

ではそのあたりもふまえ、解説していきましょう!

 

メタトロン

さて、メタトロンについての解説ですが、まず彼の名前に違和感を持つ方も少なくないんじゃないですかね。

天使はミカエル、ラファエル、ガブリエルといった、「〇〇エル」という名前が非常に多いです。

ラジエルの解説の際にも触れましたが、この〇〇エルというのは、「神の〇〇」という意味が込められています。

 

しかし、このメタトロンを初め、例えばサンダルフォンとか…………すまんぱっと思いつかんかった、沢山いたはず(笑) 

 

ちなみにぱっと出てきたサンダルフォンメタトロンと双子の兄弟と言われています。

 

少なくともこの二人に関して共通する点は、元々人間だったということでしょう。

 

 

人間時代のメタトロン

人間の頃、彼はエノクと呼ばれていました。

彼は旧約聖書にも登場する、アダムから数えて6代目の子孫で、300歳になった頃ラジエルの書を手に入れたため、天界に招かれ、その様子を詳細に記しました。

それが後に偽典として有名になる「エノク書*1です。

 

彼は神に、宇宙の秘密を記録するようにと命じられたので、ひと月もの間一睡もせずに記録を続け、360巻にも及ぶ書物に記しました。

 

その後天界で得た知識を地上に伝え、再び天界に上ると天使メタトロンになり、天界の書記に任命されることとなりました。

 

 

彼が手に入れたラジエルの書については、ラジエル解説回をご覧ください!

mattairakun.hatenablog.com

 

超巨大な天使メタトロン

f:id:mattairakun:20200421020814j:plain

グランブルーファンタジーよりメタトロン

さて、元々人間だったわけですし、彼は人間の姿に近いと思いきや、実は異形そのものです。

 

タイトルにも書きましたが、とにかく彼は巨大です。

数字での身長は記されていませんが、その巨体は双子の兄弟サンダルフォンと共に明言されています。

 

彼らは、なんと人間であれば歩いて500年かかるほどの身長を有していたそうです!

人間の歩く速度は平均して時速3.2kmですから、計算すると…………

 

14,016,000km

 

えぇと……、はい、身近ではない数字でしか例えられませんが、0.1天文単位ですね。

立ち上がるだけで地球と太陽の10分の1のあたりまで頭が届いてしまいます。

太陽を除いた太陽系の惑星の直径を足してもおよそ38万kmですから、両手に抱えて有り余るほどの巨体です……。

 

すみません取り乱しましたが、彼は立ち上がると天界に頭が着くと言われるほどの巨体だと言われていますが、言い過ぎということはなさそうです。

 

(どうやら天使が生きる上で酸素は必要なさそうです。。。)

 

さらに彼の容姿ですが、ここはそんな革新的な変貌は遂げてないだろう?と思いきや、そろそろ皆さんお察しの通り

 

36対の翼と36万の目を持った異形の姿でした。

 

いやはや、なんてこったと言った所ですが、この神と天使の話については、我々の予想を易々と裏切ってくるので、これから神話やこの旧約聖書的な世界を学んでみたいと思う方は、とにかく受け入れる精神を持っていると、より理解しやすくなるかと思いますので、今回のメタトロン編に関しても、その一助にしていただければと思います。

 

それを表している所をもう一点紹介しておくことにします。

 

このメタトロンですが、元々人間から天使になったわけで、元々天界の住人ではなかったわけです。

そんな彼が天に招かれ、どのような地位になったのかというと、実はあまりよくわかっていません。

普通に考えるとあまり偉い地位というか、上位の天使になるというのは考えづらいわけですが、実は、天使の中で限りなく上位の存在大天使ミカエルよりも上位の存在だと描かれることすらあったり、果ては「小YHWH(YHWHというのはヘブライ語で神という意味です)という呼び名を冠することすらあります。

 

彼は天界に上り、一体どんな存在になったんでしょうか。

興味は尽きないところですが、今回はこの辺りにしておこうと思います。

 

お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

Twitterもやってます。

解説してほしいゲーム、アニメのキャラクター、神話が関わってそうなエピソード、伝説の武器や怪物、またその他小ネタや厨二用語など、解説・考察してほしいことがあれば、是非お気軽にお申し付けください!

twitter.com

 

 

*1:エノク書

天界、地獄、天使、悪魔などの記述や、ノアの箱舟最後の審判などについての予言が記されているが黙示録の一つです。

エノク書にしか登場しない天使の記述なども多いので、広く知られることになったそうですよ。

アルテミスってどんな神様?ゲームで神話解説ギリシャ神話編

月の女神アルテミス

f:id:mattairakun:20200420014928p:plain

パズドラよりアルテミス。この形態好き。

どうもどうも、へーでございます。

今回は悲しい物語に彩られた月の女神アルテミスの紹介ですよ。

 

ゼウスの子らの中でも最も偉大と称されることもある彼女、どんな神様なんでしょうか!

んでは解説どうぞ。

 

目次

 

双子の神

f:id:mattairakun:20200420020651j:plain
f:id:mattairakun:20200420020705p:plain
左:兄アポロン 右:妹アルテミス

月の女神アルテミスは、対を成す太陽の神アポロンの双子の妹です。

この双子は共に弓の名手で、兄アポロンは太陽をモチーフにした金の弓矢、妹のアルテミスは月をモチーフにした銀の弓矢を操ります。

 

その腕前はすさまじく、月の女神であると共に狩猟の女神と呼ばれるほどです。

 

また、父である全能神ゼウスに永遠の純潔を誓い、自らの従者にも恋愛を禁じたことから、処女神としても有名です。

 

母レトの受難(ほぼ母とゼウスの話なので興味がなければ次項をどうぞ。)

アルテミスは全能神ゼウス女神レトとの間に生まれました。

ギリシャ神話をご存じの方なら察するかと思いますが、ゼウスはすでにヘラを正妻に迎えていました。

(ほんといっつも浮気してんなこいつ)

 

ゼウスはウズラに化けてレトの寝室に忍び込み、子を成したそうです。

どう考えてもゼウスが悪いと思いますが、全能神ゼウスを裁くわけにもいかないヘラの怒りは、悲しいかな被害者であるレトに向くことになります。

 

ヘラの怒りはすさまじく、レトに出産の場所を与えないために、「一度でも太陽が照らした場所では出産させないように」と世界中の土地に命じます。

その妨害工作は命に背く土地がいないように、虹の女神イリスと戦の神アレスに監視さるという徹底ぶりで行われました。

 

すでに妊娠していたレトは、出産する地を求めて世界中を旅することとなります。

 

旅の道中も決して穏やかなものではなく、レトの子に自分が殺害されるという運命を知ってしまった、予言を司る蛇の怪物ピュトンが彼女を追いまわしたり、ヘラが遣わした巨人ティテュオスに襲われたりと、困難の連続でした。

 

レトはなんとか危険を逃れ、更なる放浪の末にオルテュギアー島にたどり着きます。

この島はかつてレトの姉妹で、アステリアと呼ばれる女神でした。

 

神話特有のぶっ飛び設定ですが、このアステリアもかつてゼウスに気に入られ、受け入れなかったがために怒りを買ってしまい、浮島に姿を変えられてしまったという悲しい存在です。

(全能神夫婦に目をつけられたら終わり。はっきりわかんだね。)

 

オルテュギアーで出産することに決めたレトでしたが、それは大変な難産でした。

というのも、ヘラが出産の女神エイレイテュイアを神殿に閉じ込めてしまい、その祝福を受け取れなくしてしまったからでした。

 

さすがに可哀そうに思った虹の女神イリスは、ヘラの隙を見計らってエイレイテュイアを連れ出し、ようやくレトは無事出産を終えることができました。

 

 

豆知識コーナー

虹の女神イリス(iris)は英語読みでアイリス。

目の瞳を構成する虹彩(アイリス)はここから来ています。

 

 

 

狩猟の神アルテミスと、唯一気を許した男オリオン

f:id:mattairakun:20200420020516j:plain

Fate Grand Orderより月女神の無垢な愛(アルテミス・アグノス)。こんな未来もあったんですかねえ。

こちらのチャンネルからお借りしました:YouTubeばいす様

 

アルテミスは狩猟の女神ですが、森や自然、動物の守り手でもありました。

その為、必要以上の狩りを行った狩人には厳罰を与えるなど、基本的な性質は優しい女神です。

(母レトは神々で最も柔和な女神だと言われています。)

 

しかし、水浴びしているところを偶然目撃した狩人を鹿の姿に変え、狩人自身が連れていた犬に八つ裂きにさせるなど、冷酷な一面も持ち合わせています。

 

そんな彼女ですが、一人だけ心を許した男性がいます。

それが海神ポセイドンの息子で、ギリシャ随一の猟師オリオンでした。

 

狩猟の女神であるアルテミスと、ギリシャ一番の狩人であるオリオンは次第に惹かれあい、仲を深めていきます。

次第に神々の間でも、二人は結婚するのでは?と噂が流れるようになりますが、双子の兄であるアポロンは二人の関係をよく思っていませんでした。

妹のアルテミスが純潔を司る処女神であり、恋愛など許されないというのと、なにより粗暴なオリオンのことが気に入りませんでした。

 

ある日のアポロンは、大地母神ガイアに「オリオンのせいで動物が絶滅してしまう」と、嘘の告げ口をします。

それを聞いたガイアは、仕方なく巨大なサソリをオリオンの元に送り出すことにしました。

 

アポロンは、サソリの姿を目にしたオリオンが驚いて海に逃げ込むのを見ると、アルテミスの弓の腕前を馬鹿にし、「弓の名手だと言うならあれを打ち抜いて見せよ」と挑発しました。

遠くにいたためオリオンと気が付かなかったアルテミスは、弓を引き絞り、彼の頭を射抜いてしまいました。

 

翌日、彼の遺骸を発見したアルテミスは、どうか生き返らせてほしいと、医師のアスクレピオスを訪ねるが、全能神ゼウスや冥界の王ハーデスに反対され、叶わなかった。

代わりにゼウスはオリオンを天に昇らせ、アルテミスを慰めました。

こうして、オリオン座が誕生しました。

 

ちなみにですが、オリオンを海に追いやったさそりはさそり座になりました。

これは別世界線で傲慢だったオリオンを刺し殺した褒美だそうです。

 

アルテミス萌えエピソード?

大変気が強いイメージがあるアルテミスですが、トロイア戦争の際、トロイア側に加勢していたアルテミスは、最終局面で女神ヘラと対決することになります。

アルテミスは弓を引きますが、一瞬で間合いを詰められ、弓を叩き落されるとそのまま一方的に格闘でぼこぼこにされて敗北。

涙ながらに逃走し、父ゼウスに慰められたそうです。

 

最後に+ちょっとした雑学コーナー

f:id:mattairakun:20200420021709p:plain

ディバインゲートからヘカテーヘカテーと言えば!とこの画像を選んでしまいましたが、灼眼のシャナが懐かしかっただけですすいません。

さて、アルテミスの解説は以上です!

 

ちょっとした小話というか、雑学程度ですが、母レトの出産の場面、実はアルテミスが先に生まれ、助産師としてお産を手伝ったという説があります。

(妹ちゃうんかい!ってなると思って補足に書きましたが……笑)

そこから出産の守護者と呼ばれることもあります。

 

 

また、女魔術師の保護者とも呼ばれる闇の女神ヘカテーと同一の神であると言われることがあります。

ヘカテーは冥界の地獄の側面表し、魑魅魍魎を操る恐ろしい女神ですが、彼女が一番力を増し、生者の世界と死者の世界の境界が曖昧になった時期に、魔女たちは祈りを捧げ、未来を占ったとされます。

 

その時期が実はハロウィンだったりします。

 

元々のハロウィンは古代ケルトに起源がありますが、どこかのタイミングで民間伝承や祭りが混ざり合って行って、やがて今の形に移り変わっていったんでしょうねえ、面白い。

 

このあたりの話は興味があれば今後がっつり語りたいと思います!

悪魔崇拝とか都市伝説的な話にもつながっていって非常に面白いですよ!

 

それでは今回はこのあたりで、お疲れさまでした。

 

 

Twitterやってます。

解説してほしい神話や伝説、アニメやゲームの用語、エピソード等などリクエストをお待ちしております。

料理のこととか呟いてますが、気にせずDMでもリプでも頂ければ喜んで解説しますので、お気軽にどうぞ!

twitter.com

神話がなんにもわからない人向け、ギリシャ神話の世界観

ギリシャ神話の世界観

 

f:id:mattairakun:20200417033907j:plain

 

どうもどうも、へーですございます。

今回は神話のことを何も知らない人向けに、ギリシャ神話の基礎知識、世界観等をお伝えしようと思います。

ゲームやアニメにもよく引用されるギリシャ神話ですが、神話の設定というのは得てして混同しがちなものですからね、ここでさくっと理解しちゃいましょう!

 

 

目次

 

 

ギリシャ神話の舞台

ギリシャ神話の世界を理解するのに手っ取り早いのは地域を知って、映像的なイメージを思い浮かべられるようになることかなあと思います。

幸いギリシャ神話については、女神アテナを祀っていたパルテノン神殿や鍛冶の神ヘパイストスを祀っていたヘパイストス神殿、ポセイドンを祀ったポセイドン神殿など、現存する神殿があるので、イメージは作りやすいかと思います。

 

全能神ゼウスが拠点を構え、クロノスに対して宣戦布告をしたと言われるオリンポス山ギリシャテッサリア地方に実在します。

 

この地球上にある地中海の周辺地域、そして天のウラノス(天空)、地の底にある冥界ハデス、地獄タルタロス、そこを舞台に神々や英雄、そして人間が紡いだ物語がギリシャ神話ということになります。

 

神々の時代

 

ギリシャ神話は、大きく分けると2つの時代構成で成り立っています。

それが神々の時代英雄の時代です。

そしてその中でも細分化されることがあり、その際はそれぞれ「黄金の時代」「白銀の時代」「青銅の時代」「英雄の時代」「鉄の時代」と5つに分かれます。

 

それでは、それぞれさくっと解説していきましょう。

 

 

黄金の時代

 

f:id:mattairakun:20200417042544j:plain

パズドラからクロノス、彼の治世が黄金の時代です。

ギリシャ神話における序章の部分が、この黄金の時代にあたります。

世界にはカオスと呼ばれる空隙があるだけで何もありませんでしたが、そこに原初の神々が生まれ、その中で大地の女神ガイアと天空の神ウラノスが結ばれ、ティターン神族と呼ばれる巨人族の神々が生まれます。

しかし、二人の間には100の腕と50の頭を持つヘカトンケイル、一つ目のキュクロプスも生まれてきました。

ウラノスはそれを嫌い、地下深くのタルタロスにこの2種族を閉じ込めてしまします。

 

それに激怒したガイアは、ティターン神族の末弟クロノスに鎌を渡し、反旗を翻すように促します。

クロノスはウラノスの一物を切り落とし、神々の支配者の座から引きずり下ろすことに成功し、神々の王となり、ティターン神族の時代が訪れます。

このクロノス王権下の時代を黄金の時代と呼びます。

 

この時代は神々と人間は共に暮らしており、世の中は平和で犯罪や争いなど何もありませんでした。

 

労働の必要すらなく、人間も不老長寿でとても幸せな世界だったようです。

 

しかし、その世界も終わりを告げます。

 

先のウラノスから王権を奪った騒動の際に、解放するはずだったヘカトンケイル族とキュクロプス族を、クロノスは解放せずにいました。

 

それに対し激怒したガイアは、ウラノスのように、クロノスもまた「己が子によってその座を追われるのことになる」と予言します。

 

クロノスはティターン族の女神レアと結ばれていました。

当然の流れとして、二人の間には子供ができました。

 

その時ガイアの予言を思い出してしまったクロノスは、恐怖に勝てず生まれてきたわが子を丸呑みにしてしまいます。

レアが何度お腹を痛めても、クロノスは子供を次々と飲み込んでしまいます。

 

ついに5人もの子供が飲み込まれ、6人目を身ごもったレアはそれを回避するために、代わりに産着にくるんだ石を飲ませ、子供を逃がしました。

 

その子供こそギリシャ神話における全能神ゼウスです。

 

ゼウスは成人するとクロノスに嘔吐薬を飲ませ、兄弟たちを救出すると、オリュンポス山に拠点を構え、クロノス率いるティターン神族たちに宣戦布告し、神々の戦争ティタノマキアが始まります。

 

戦争は10年にもわたって続きましたが、遂にクロノスを撃破すると、ゼウスは次代神々の王に就任、それとともに黄金の時代は終わりを告げ、次なる時代、白銀の時代に移り変わっていきます。

 

このあたりの話はゼウス回でもっと詳細に書いてありますので、気になる方は是非そちらをご覧になってください。

mattairakun.hatenablog.com

 

白銀の時代

f:id:mattairakun:20200417042910p:plain

グランブルーファンタジーのプロメテウス。神話だと男神ですが、このゲームでは女性キャラクターで登場します。彼女が3万年もの間肝臓つっつかれる運命にあるとは・・・

 

白銀の時代が訪れましたが、ゼウスは人間に対して大変厳しい神でした。

人間を作ったのはティターン神族プロメテウスだと言われていますが、ゼウスは人間の存在に疑問を持ち、度々意にそぐわない行動をとるプロメテウスに罰を与えたりと、人間の味方プロメテウス、人間の敵ゼウスのような図式が出来上がっていきます。

 

一つ、ゼウスとプロメテウスのエピソードを紹介します。

ゼウスは人間と神々を明確に区別しようと考え、どうしようかと考えていると、プロメテウスが立候補しその役割を受けおいました。

食べ物によってその区別を明確にしようと考えたプロメテウスは、そこで一つの計略をめぐらせます。

プロメテウスは牛を屠殺すると二つに分け、一方は肉と内臓を食べられない皮に包み、もう一方は骨に脂身やおいしそうに見える部位を巻き付け、どちらかを神々の取り分として選ぶようにと、ゼウスに求めました。

 

ゼウスは一見美味しそうな骨ばかりの方を選んでしまいました。

騙されたことに気が付いたゼウスは怒り、人間が死ぬと、この肉のようにすぐに腐ってしまう運命を与えました。

 

また、その際にゼウスは人々から火を取り上げましたが、寒さに凍える人々を可哀そうに思ったプロメテウスはゼウスの目を盗み、再度火の恩恵を与えます。

しかし人々は火を使って武器を作り、戦争を始めたため、ゼウスはプロメテウスの責任だとして、山に磔にして、鷲に肝臓を食べられ続けるという刑に処されることとなりました。

この刑はなんと3万年続いたそうです、、、ぁぁおそロシア

 

結局、その後我慢ならなくなったゼウスによって、一度人類は滅ぼされてしまい、それと共に白銀の時代も終わりを告げることとなります。

 

 

青銅の時代、英雄の時代

f:id:mattairakun:20200417043502j:plain

サモンズボードよりペルセウス

 

この頃、ゼウスは正妻にヘラを迎えていましたが、女神や人間たちと子を成し、ゼウスの血を引く神や、半神半人の英雄たちが多く誕生していました。

その中でも特筆すべきは、ペルセウスヘラクレスしょう。

 

 

半神半人の英雄ペルセウス

彼は全能神ゼウスとアルゴス王アクリシオスの一人娘ダナエの間に生まれました。

人間でありながら、ゼウスの血を継ぐ、半神半人の英雄です。

 

アルゴス王は「世継ぎの息子は生まれないが、男の孫が生まれる。汝は孫に殺されるだろう」と信託を受けていたため、ダナエとペルセウスを海に流してしまいます。

運よくたどり着いたセリポス島で、ダナエに横恋慕した領主ポリュデクテスの計略により、ペルセウスは怪物ゴルゴンを退治することになります。

 

ゴルゴンというのは三姉妹の怪物で、髪が蛇になっていることで有名なあれです。

彼女たちの目を見たものは石化してしまい、さらには三姉妹の長女と次女は不死身でした。

ペルセウスに倒せる見込みはありませんでしたが、そこに戦いと知恵の女神アテナとヘルメスが現れ、彼に神々の武具を授け、戦いを補助しました。

 

神々の協力を得たペルセウスは、ゴルゴン三姉妹で唯一不死身ではなかったメドューサの首を切り落とすことに成功します。

 

実は、メドューサは海神ポセイドンの子を身ごもっていました。

ペルセウスが首を持ち帰る際、そのメドューサの首から滴った血が海に触れると、そこからクリュサオルと、天馬ペガサスが生まれました。

 

 

※クリュサオルはあまり知られていない気がしますが、上半身が美女、下半身が蛇で知られるエキドナの父親です。

 

ペルセウス一行は帰りの道中で、波打ち際の岩に縛り付けられている美女を発見します。

それはエチオピア王ケーペウスと、王妃カシオペアの娘アンドロメダでした。

これは母カシオペア「私の美貌は神にも勝るわ!」と豪語したせいで神々の怒りを買い、許してほしければ娘を生贄に捧げろと言われたから生贄にされたというすごく可哀そうなエピソードなのですが、ちょうどそこに通りかかったペルセウスが襲い掛かる怪物たちにメドューサの首を向けて石化させ、救出に成功します。

 

救出したアンドロメダを連れてセリポス島に帰還すると、ペルセウスの不在を狙ってダナエを手に入れようとしてたポリュデクテス一行を発見し、これもメデューサの首を使い撃退、無事母ダナエの救出に成功します。

 

そしてペルセウスアンドロメダは結ばれ、彼らの子孫たちがペルシア王家となります。

※ペルシアという名はペルセウスの名前がもとになっていると言われています。

 

 

英雄ヘラクレス

f:id:mattairakun:20200417043756j:plain

Fate Grand Orderよりヘラクレス。昔はバーサーカーと呼ばれてましたね。神話的なところだとバーサーカー北欧神話の概念ですが、物語でみると言いえて妙って感じです。

 

英雄を思い浮かべた時、最も有名なのは恐らくこのヘラクレスでしょう。

最も強く、最も悲しい英雄ヘラクレス、その名前の意味は「ヘラの栄光」です。

 

彼は全能神ゼウスとミュケナイの王女アルクメネの子で、後に起こる巨人族ギガンテスとオリュンポス神族の間に勃発するギガントマキアに備えるため、人間との間に作られた子供でした。

原初の大地母神ガイアが使わせたこのギガンテス達は、神には殺せない体を持っていたため、人間の英雄の力が必要だったわけですね。

 

実際ギガントマキアの際に彼はギガンテス達を撃退することに成功します。

 

しかし、ゼウスの妻ヘラは、人間の女性との不定の証であるヘラクレスを憎みました。

ヘラクレスが成長し妻子を得ると、そこで彼を狂わせ、彼自身に家族を惨殺させてしまいます。

正気に戻った彼は、自分が起こした惨劇を目の当たりにし、絶望します。

 

そんな彼に太陽神アポロンが、「12の功業」を成し遂げ罪をあがなうようにと信託を授けます。

(彼は欠片も悪くないと思うんですが……そういことです。)

 

ヘラクレスの成し遂げた12の功業(10の試練)

ヘラクレスの英雄譚です。

詳しく話すと非常に長いので、さっくり行きましょう。

 

1、ネメアの獅子

刃を通さない頑強な皮を持った獅子。こん棒で殴って悶絶させて、三日間殴り合った末に絞殺した。

 

2、ヒュドラ

触れただけですべての生命を奪う毒を発し、切られても瞬時に復活する9つの首を持ち、さらにそのうちの1本は不死身だった。

首を切って、再生する前に傷口を焼き、不死身の1本だけになったところで岩の下敷きにして見事撃破。

 

3、ケリュネイアの鹿

狩猟の女神アルテミスが欲するも、彼女ですら捕らえられなかったほど足の速い鹿。

傷つけずに捕まえろ!と言われ、1年間後を追いまわしてついに生け捕り。すごい根性。

 

4、エリュマントスの猪

人食い猪の生け捕り。

生け捕りは特に詳しく語られない程度に簡単に済んだが、誤って武術の師匠であるケイローンヒュドラの毒を塗った矢を射てしまう。

不死だった彼は毒の苦しみに耐えかねて、プロメテウスに不死の力を献上し、死んでしまった。

 

5、家畜小屋の掃除

エーリス王の30年間掃除されたことのない家畜小屋を掃除するという試練。

「1日で掃除したら牛1割おくれ」とヘラクレスが条件をだし、了承されると、ヘラクレスは川の流れを無理やり変えて小屋の汚物をいっぺんに洗い流した。

しかし、罪滅ぼしをしているのに見返りを求めるとはどういうことだということになり、この試練はノーカウントになった。

(しかも川の流れを無理やり変えたので、後々洪水が頻発したそうです。)

 

6ステュムパーリデスの鳥

爪やくちばしが青銅の怪鳥たちの退治。

大きい音で驚かせて、襲い掛かて来たところを絞殺。

 

7、クレタ島の牡牛

この牡牛はかの有名なミノタウロスの父ですが、とりあえずこの時はヘラクレスに殴られておとなしくなったところを、アルゴスまで連れて行かれた。

 

8、デュオメデスの馬

戦神アレスの息子でトラキアの王デュオメデスは、旅人をとらえると馬に食わせていた。(馬は草食なのに?ってつっこみはなしの方向で)

ヘラクレスは馬を奪うと、軍勢を率いて追ってきたデュオメデスを返り討ちにした。

 

9、アマゾン女王の腰帯

アマゾンの女王はヘラクレスが屈強な体を持っていたため、自分たちと子供を作れば腰帯を譲ると申し出たが、ヘラがアマゾネスに扮して、「ヘラクレスが女王を拉致しようとしている」とうそのうわさを流し、対立させる。

アマゾネスに罠にはめられたと思ったヘラクレスは女王を殺害し、腰帯を奪った。

 

10、ゲリュオンの牛

常人にはたどり着けない大洋オケアノスの西の果てエリュテイアに住むゲリュオンの飼う赤い牛。

ヘラクレスはどうにかたどり着けないかと旅をした果てにアフリカまで行きつくと、照り付ける太陽光に怒り、太陽神へ―リオスに矢を放った。

へ―リオスはその豪気を気に入り、ヘラクレスに黄金の盃を貸し与えた。

その盃に乗って海を渡り、ついにエリュテイアにたどり着くと赤い牛共々牛の群れを奪った。

(盃でどうやって海渡るん?ってつっこみは空気読めてないです。)

 

11、へスぺリデスの黄金の林檎

ヘラクレスはへスぺリデスの居場所を知らなかったので、水神ネレウスに聞き出し、黄金の林檎を守護する百の頭を持つ竜ラードーンと対峙すると、口に蜂の巣を突っ込んで倒し、黄金の林檎を手に入れた。

(100の頭のどれに蜂の巣を突っ込んだのかはすまんけどしらん。)

 

12、地獄の番犬ケルベロス

冥界の王ハーデスに謁見し、ケルベロスを貸してもらえないか頼むと、「傷つけたりしないならいいよ」と許可をもらい、無事完遂。

 

以上が、ヘラクレス12の功業の一覧です。

かなり端折って解説してしまいましたが、ヘラクレスの解説回も予定しておりますので、そちらをお待ちください。

 

 

神代の終わり、見捨てられた鉄の時代

f:id:mattairakun:20200417044216p:plain

イドラ ファンタシースターサーガよりアストライア

 

さて、原初の神々、ティタン族の黄金の時代、ゼウスの治める白銀の時代、青銅と英雄の時代を見てきましたが、その後に続く鉄の時代は、僕らも知っている人間の歴史のことです。

プロメテウスから火を授かって以来、人間は戦いに明け暮れてきました。

 

例えばトロイア戦争あたりで、ほとんどは英雄や人間の話になり、神々は現れなくなってきます。

そして、神々への畏怖を忘れた人間たちが、大地母神ガイアであった大地を掘り起こし、そこからまた武器を作る。

 

そんな歴史の流れに嫌気がさした神々は徐々に人間とかかわることを止め、天界へ登って行ってしまいました。

 

最後まで地上にとどまり、人間に正義を訴えかけていた女神アストライアもついには天界へ登り、この世界は神々から完全に見捨てられてしまったというわけです。

 

 

最後に

以上が、ギリシャ神話の概要です。ギリシャ神話は話があまりに膨大なので、語りつくせませんが、今回は大枠の流れを解説しました。

ギリシャ神話を理解する上での助力になればこれ幸いといった所です。

 

本当はもっと解説したいことたっくさんあるんですけどねー!!

例えば有名な話で紹介できていないものとして、パンドラの箱のこととか、トロイア戦争で有名なトロイの木馬、発案した軍師オデュッセウスイカロスの翼、台風(タイフーン)の語源で、ゼウスを最も苦しめた怪物テュポーン、もう一人の英雄テセウス、迷宮ダイダロスミノタウロス、美の女神アフロディーテ、アテナ、神々最高の美女は誰コンテスト等々etc書き始めると枚挙に暇がありませんが、今回の記事でも8000文字…満足いくまで書いたら5万文字くらいになってしまいますので、少しずつ吐き出させていただくこととします(笑)

 

さて、最後にの後にで恐縮ですが、本当に最後に、なんでこんなにギリシャ神話は理解しづらいのか?

個人的に思っていることを少し書いて終わりになります。

 

 

理解しづらい原因はギリシャ神話とローマ神話の関係?ゲームで興味を持つほど、神話は混乱しやすいかも。

 

さて、ゲームなどでも良く引用されるとは言いましたが、なんであんなにわかりづらいんでしょうかねえ。

 

ゲームで半端に知識を蓄えると、

「英雄っちゃヘラクレス(ギリシャ神話)だよねー!」

「あー、ヘラクレスねー」

「あとはクーフーリン(ケルト神話)とか」

ジークフリート(ゲルマン神話)とかな」

「神といえば?」

ヤハウェ(ユダヤキリスト教)

一神教の神もってくんなやー!」

「じゃあエホヴァ」

「それ同じ神様ー!」

 

みたいなことになりかねません(ならんか)。

 

 

まあ、ほとんどネタで書きましたが、実際のところゲームとかアニメにおいて、複雑にしている要因はあると思っていて、それこそはギリシャ神話とローマ神話の関係性ではなかろうかと思っています。

 

 

例えば美の女神アフロディーテという名前は聞いたことがあるかと思います。

では美の女神ヴィーナスというといかがでしょうか。

戦いと智の女神アテナと戦いの女神ミネルヴァはいかがでしょう。

 

実はこれ、アフロディーテとヴィーナス、アテナとミネルヴァはそれぞれギリシャ神話とローマ神話でそれぞれ同一視されている神だったりします。

 

例えばパズドラなんかだと、オリュンポスの神々がラッシュで出てくるダンジョンがあったりしますが、そこでは

 

ヴィーナス(ローマ神話)

ミネルヴァ(ローマ神話)

セレス(ローマ神話)

ネプチューン(ローマ神話)

ハーデス(ギリシャ神話)

ヘラ(ギリシャ神話)

 

といったように、結構色んな作品でごちゃごちゃ混ざっているので、このあたりの事情が神話をより分かりづらくしている原因なのかなあと思います。

 

(ちなみにローマ神話で統一するなら、ハーデスはプルート、ヘラはジュノーが一般的だと思います。)

ゲームで登場するキャラやガチャの〇〇神みたいな神って、北欧神話なら北欧神話(ゲルマン神話とかはあまりまざらない)ケルト神話ならケルト神話ってイメージがあるんですが、ギリシャ神話とローマ神話に関してはわりと混在してOKみたいな風潮がある気がします。

特に星座や惑星とのつながりが深いので、エピソードとして星が関わるときにはなじみ深いローマ神として引用されることが多い気がしますし、その辺の自由度の高さが分かりにくくなる要因なのかなあなどと愚考したりするわけです。

 

日本神話、ゾロアスター教クトゥルー神話(これは神話じゃないけど)

 

あたりは名称や表現も独特なんでなかなか混在しませんけど、北欧神話ギリシャローマ神話あたりは混同しやすいですよね。

 

あとは聖書系の神様は唯一ヤハウェなので、基本的な登場キャラクターは天使になるわけですけど、それもあまり知らないとなんとなくギリシャ神話にも天使出てきそうな気がしてきたり。

 

まあ色々間違えやすいし混乱しがちですけど、そのあたりをざっくりお教えするのが私の役割ですので、今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いします(笑)

 

ということで、非常に長くなりましたが、神話がなんにもわからない人向け、ギリシャ神話の世界観解説ここまでにしようと思います。

 

是非ゲームやアニメを楽しむ一助に、そして神話に興味を持っていただく切っ掛けになればこれ幸いでございます。

 

 

Twitterもやってます。

基本的にゲームやアニメのこととか、フードコーディネーターをやってるもので、料理のことなどをつぶやいてます。

ゲームやアニメの気になるワードやエピソード、なんの引用なのかなど気になれば是非お尋ねください。

あ、フォローよろしくお願いします(笑)

twitter.com

 

ハーデスってどんな神様?ゲームキャラで神話解説ギリシャ神話編

冥府の王ハーデス

f:id:mattairakun:20200415215041j:plain

パズドラより、ハーデス

 

どうもどうも、へーです。

今日は様々な作品に取り上げられる割になにかと不遇な神ハーデスの解説です!

不運が重なり、やさぐれてしまったみんなの兄貴の話、謹んで語らせていただきます。

 

目次

 

 

本来神々の王になるのはハーデスだった?

f:id:mattairakun:20200415215910j:plain

FF14から極ハーデス

出典: 電撃オンライン



 

 

 

冥府の王ハーデスは二代目神々の王クロノスと、大地の女神レアの息子で、全能神ゼウスの兄にあたります。

 

不遇な神ハーデスは生まれたその時からさっそく不運に見舞われます。

父であるクロノスは当時二代目の神々の王でしたが、初代神々の王ウラノスから王座を奪った後、母ガイアとの約束を守らなかったため、それに激怒した母から「お前もまた己が子によって、その座を奪われる」と予言されていました。

 

(このあたりの詳細はゼウスの回で書いてありますので、気になる方はこちらをどうぞ!)

mattairakun.hatenablog.com

 

恐怖したクロノスは生まれたばかりのハーデスを丸呑みにしてしまいます。

神であった彼は不死だったので、死ぬことはありませんでしたが、クロノスの腹の中は時が止まっていたため、生まれたばかりで成長することもなく、いつか再び世界に出る時を待つこととなります。

 

クロノスはその後生まれたポセイドンも飲み込んでしまいましたが、6番目に生まれた子供ゼウスだけは、母レアと祖母ガイアの機転により回避することになります。

 

成長したゼウスはクロノスに嘔吐薬を飲ませ、兄弟達はついに腹から脱出することになりましたが、飲み込まれた順番とは逆の並びで吐き出されたため、本来長男だったハーデスが、男神では最後に吐き出されることになってしまい、長男であり末弟ということになってしまいました。

さらに時が止まっている間にゼウスはすでに成人していましたが、ハーデスはまだ子供でした。

 

そんな事情が重なり、後にクロノスに対して宣戦布告し、開戦したティタノマキアでもオリュンポス神達を率いるのはゼウスとなり、クロノス打倒に成功すると、三代目の神々の王座にはゼウスが就くこととなりました。

 

冥府の王ハーデス

オリュンポスの神々とティターン神族との戦争ティタノマキアでハーデスは、キュクロプスから姿を消せる兜を授かり、そのおかげもあってゼウスにも劣らないほどの大戦果をあげました。

その活躍もあり、ついにティターン神族たちとの戦争に勝利することができましたが、末弟になってしまったハーデスではなく、ゼウスが神々の王の座に就くことになります。

その後、ゼウス、ポセイドン、ハーデスの三人で世界を分割統治することになった際に、ハーデスは冥府を管理することになり、暗黒の地下世界に住まうことになりました。

 

地下世界を管理する彼は、オリュンポスに上る機会もなかなか無いため、基本的にオリュンポス十二神にも数えられていません。

 

そして冥府の王、死者たちの王である彼は次第に忌み嫌われる存在となってしまったのでした。

 

書いてて悲しくなってきたな。。。

 

 

余談(豆知識)

漫画ワンピースに古代兵器プルトという兵器が登場しますが、プルトンとは「富める者」という意味で、それはこの冥府の王ハーデスの別名なんです。

ワンピースにおける古代兵器プルトンが一体何なのか、まだ答えは出ていませんので、どんな意味が隠されているのかはわかりませんが、ここから色々考察することもできるかもしれませんね!

 

 

ハーデスの恋路と四季の誕生

f:id:mattairakun:20200415220703j:plain
f:id:mattairakun:20200415220658j:plain
左:パズドラよりペルセポネ 右:モンストよりペルセポネ

 

冥府には、ティタノマキアで敗れ去ったティターンの神が幽閉されており、その怨嗟の声を浴び続けたハデスは次第に冷酷で、邪悪な性格になっていきます。

 

そんな彼ですが、ある日野に花を咲かせている少女を見かけ、一目惚れしてしまい、なんとそのまま冥府に誘拐してしまいます。

 

その少女こそが、ハーデスの妻で、全能神ゼウスと豊穣の神デメテルの子、ペルセポネでした。

 

母であるデメテルは当然激怒し、豊穣の神としての仕事を放棄し、大地に穀物が実らなくなってしまいました。

困ったゼウスはペルセポネを地上に戻すようにハーデスに命じます。

ハーデスはしぶしぶ了承しましたが、地上に帰れる喜びに浮かれたペルセポネに、冥府の食べ物である柘榴の実を食べさせてしまいます。

 

出された柘榴の実を4粒食べてしまったペルセポネは、冥府の食物を食べたものは客人として、そこに留まらなければならない、という規則によって、冥府で過ごさなければいけなくなってしまいました。

 

ペルセポネは地上に戻りましたが、再び冥府へと戻らなければなりません。

そこでゼウスはオリュンポスの神々から意見を募り、最終的に1年の3分の1は冥府に留まることとし、残りの3分の2は地上に戻れるように裁決を下すこととなりました。

ゼウスとデメテルは仕方なくペルセポネを妻とすることを認め、ハーデスとペルセポネの二人は夫婦ということになりました。

 

ペルセポネが冥府に行ってしまうと、その期間デメテルは悲しみ、その時期は寒い冬となり四季が生まれたと言われています。

 

 

冷え切った夫婦生活と意外な嫉妬

f:id:mattairakun:20200415221002j:plain

パズドラよりハーデス。寄り添うペルセポネが印象的ですね。

 

晴れて夫婦となったハーデスとペルセポネですが、当然のように夫婦生活は冷え切っていました。

 

ペルセポネとしては突然誘拐され、監禁され、帰れると思った矢先に騙され、親が勝手に承認したせいで誘拐犯と結婚することになったというとんでもない境遇なので、そりゃああたりまえなんですが、ハーデスの境遇も考えると、突然目の前に現れた光に手を伸ばさずにはいられなかったんでしょう。

 

しかし、次第にその関係に疲れてしまったハーデスは、メンテーという美しいニンフと不倫してしまいます。

 

それに気づいたペルセポネは、意外にも嫉妬に狂い、不倫相手のメンテーを踏みつけると、「お前などくだらない雑草になってしまえ」とミントの葉に変えてしまいました。

 

後に英雄ヘラクレスが冥府に来た際には、冥府の女王としてハーデスの傍らに控えていたそうなので、案外その後の夫婦仲はうまくいっていたのかもしれないですね。

 

 

最期に

以上が、ハーデスの解説となります。

なんだか不幸なエピソードが多くて切ない神様ですが、一番可哀そうなのは、神話に残っているハーデスのエピソードがとても少ないということかもしれません……。

 

せめてその後の夫婦生活が円満だったことを祈って。

 

余談その2

半人半神の英雄ヘラクレスミュケナイの王エウリュステスの命により、ハーデスの元を訪れ、ケルベロスの貸与を願い出た際に、「傷つけないならいいよ」とこれを許可しました。

ヘラクレスケルベロスを地上に連れ出すと、日の光を浴びたケルベロスは狂乱して涎をたらし、その涎から生まれたのがトリカブトだと言われています。

 

こういう小ネタこそ神話の面白さかもしれませんねえ。

 

 

以上、ハーデスの解説でした!

ゲームやアニメ等、楽しむ際の一助になれば幸いです。

 

 

Twitterもやってますので、是非フォローをお願いします。

解説してほしい神、天使、モンスター、武器、エピソードや、考察してほしいアニメなどあれば、DMでもリプでもコメントでも、是非お気軽にお申し付けください!

twitter.com

神話がなんにもわからない人向け、北欧神話の世界観

北欧神話の世界観

f:id:mattairakun:20200414221852j:plain

北欧神話の世界

出典:幻獣図鑑 世界樹と九つの世界

どうも、へーです!

ゲームやアニメやらをやっていると、神話の登場人物や、エピソードに触れることがあると思います。

でも根本的な世界観をしらないと何が何だかわからないし、神の名前や天使の名前を少し知っていたりするとかえって大混乱したりしますよね。

 

今回の記事では、北欧神話についての基本的な概念を知っていただき、とりあえず北欧神話ならなんとなくわかるぜ!となっていただこうと思います。

 

それではさっそく解説していきましょう!

目次

 

 

それではさっそく神話の世界観北欧神話編いきましょう!

恐らくゲームにおいて、もっとも引用されやすいのがこの北欧神話しょう。

世界観を理解しやすいようにいくつかカテゴリー分けして解説していこうと思いますよい。

 

北欧神話の登場人物

北欧神話において、神々はふたつの種族に分かれています。

 

古代の神々、豊穣を司るヴァン神族

新しい神、戦闘の神アース神族

 

このふたつの種族ははじめは争っていましたが、後に和解し協力関係となります。

 

もうひとつ、北欧神話において重要な種族が巨人族です。

彼らは神々と対立し、ことあるごとに壮絶な戦いを繰り広げることになります。

 

北欧神話はなかなか血なまぐさいイメージがありますが、この神々と巨人たちの対立、そして戦争の物語が根幹にあるから、というわけです。

 

ヴァン神族の有名な神々

海神ニョルズ

豊穣神フレイ

愛の女神フレイヤ

 

アース神族の有名な神

 

主神オーディン

雷神トール

悪戯の神ロキ

知恵の神ミーミル

愛と豊穣の女神フリッグ(オーディンの奥さん)

 

 

北欧神話9つの世界

 

北欧神話の世界はざっくりわけると、天界アースガルズ人間界ミズガルズ地獄ニヴルヘイムの三階層に分かれています。

その中にも様々な世界があり、合わせて9つの世界となります。

 

天界アースガルズ

アース神族の国アースガルズ

・光の妖精の国アールヴヘイム

ヴァン神族の国ヴァナヘイム

 

人間界ミズガルズ

・人間の国ミズガルズ

・黒い妖精の国スヴァルトアールヴヘイム

 (小人の国ニダヴェリール)

・巨人の国ヨトゥンヘイム

 

地獄ニヴルヘイム

・霜の国ニヴルヘイム

・死者の国ヘルヘイム

・炎の国ムスペルヘイム

 

以上の9つの世界に根をはる世界樹ユグドラシルによってそれぞれの世界が繋がっている。

これが基本的な北欧神話の舞台となります。

 

 

 

それではそれぞれの世界、その世界観を解説していきましょう!

 

・天界アーズガルズ

アースガルズは神々の住む楽園です。

人間たちが行くこともありますが、それは死者としてです。

戦場で死んだ勇者たちは、オーディンの遣わせた戦乙女ヴァルキリーに連れられて、オーディンの元、ヴァルハラへとたどり着く。

これが北欧神話における、人間にとって最高の名誉です。

 

戦士ではないものが死んでもアースガルズにたどり着きますが、その先はヴァルハラではなく、雷神トールの館ビルスキルニルです。

ここはアースガルズで最も大きな館で、部屋数はなんと640部屋。

死者たちはこの巨大な館で幸せに暮らすそうです。

 

(余談ですが、雷神トールは冠婚葬祭を司っている神様なので、農民には広く慕われていたそうですね。)

 

そして実は、戦死者のすべてがヴァルハラに招かれる訳ではありません。

一部の戦士は美の女神フレイヤの館セッスルームニルに行き、宴席に招かれるそうです。

 

・人間界ミズガルズ

f:id:mattairakun:20200414222440p:plain

みんなのトラウマ、ミドガルズオルムさん

ミズガルズは人間の世界ですね!

豆知識ですが、北欧神話を引用しているFINAL FANTASYで、最初に主人公達がいた都市ミッドガルですが、ミズガルズを簡易表記でミッドガルドと言いますので、ここからの引用でしょう。

そして、誰もが一度は倒されるであろう蛇のモンスタードガルズオルムはそのままドガルズ(人間界)オルム()で、人間界の蛇という意味ですね。

 

神話を知っているとこういう細かい所がわかって楽しいですよ!

ちょっと得した気分になれます(笑)

メタファーが気になって会話重視プレイに興じてクリアに時間がかかるデメリットもありますが

 

脱線してしまいましたが、ミズガルズの解説に戻りましょう。

 

ミズガルズと神々の大地アースガルズはビヴロストと呼ばれる虹の橋で繋がっており、死者はここからアースガルズへと渡っていくことになります。

ミズガルズの周囲は海にかかわれており、さらに外側には巨人の国ヨトゥンヘイムがあります。

蛇の怪物ヨルムンガンドは巨大すぎてミズガルズに収まらないので、海の中からミズガルズを取り囲む形でぐるっと一回りしています。

 

・地獄ニヴルヘイム

ちょっと先ほどの余談に出てきたFINAL FANTASYⅦのクラウドティファの故郷ですね。

 

こうやって別の物語から引用されている名称なんかを見かけると、どんなメタファーが……!とそわそわしてくるのがオタクの性ですねえ(笑)

 

さてニヴルヘイムですが、地獄とはいうものの、一般的に想像されるような地獄とは少々違いまして、鬼が居て人生の何回分拷問され続ける!のような責め苦はありません。

ただ死後たどり着く世界の一つというだけです。

病気や老衰など、戦場とかかわらずに死を迎えた魂はここに渡ることになります。

霜の国ニヴルヘイムと死者の国ヘルヘイムは川で隔てられています、そこにはギャラルブルという黄金に輝く橋が架かっており、モーズグズという女の巨人が守護しています。

また、ニヴルヘイムにはエーリヴァーガルという川が流れており、それを北に進むと、北欧神話の世界始まりの穴、ギンヌンガガプに続いていると言われています。

 

・ヴァルハラ

北欧神話において、最も重要な概念がこのヴァルハラです。

天界アースガルズでも最も高い所歓喜の国グラズスヘイムにあり、すぐそばにはオーディンの居城ヴァラスキャールヴが建っています。

人間界の戦場で戦士した勇者たちを、戦乙女ヴァルキリー達がこのヴァルハラへ導き、たどり着いた戦士たちはエインヘリアルと呼ばれ、来る神々と巨人の最終戦ラグナロクにおいて、オーディンの配下として戦うために鍛錬に励んでいます。

 

この鍛錬がなかなか強烈で、エインヘリアル達は夜明けとともに武装し、互いに殺し合いを始めます

死んでしまったものも怪我をしたものも時間がたつと完治し、夜には宴を催し大いに盛り上がる、という日々を決戦の日まで繰り返すわけですね。

 

オーディンが何故彼らを集めているのかといいますと、知識や魔術を極めた彼はついに予言の力にまで手にし、巨人達との最終戦争、そこで自らの命が絶たれることを知ってしまいます。

 

その未来を覆すために、人間の勇者を集め、戦力を強化していたというわけです。

 

しかしラグナロクは開戦し、予言に違わない結果を迎えてしまうこととなります。

 

このあたりはオーディンの回でもう少し詳細に解説していますので、そちらをご参照ください。

mattairakun.hatenablog.com

 

最期に

以上が、基本的な北欧神話の解説となります。

ゲームやアニメのキャラクターやストーリーを理解する上での一助になれば幸いです。

(前述したFFシリーズや、アニメ「デュラララ」で折木臨也がデュラハンについて考察しているシーンなど、いろんな作品のネタが察せるようになったりしてすごく面白いですよ。)

 

今回はさわり程度の解説でしたので、もうちょっと深く知りたいという方は是非コメント等でご要望頂ければもっと詳しい解説版も作ろうと思いますので、お気軽にお申し付けください。

 

ではまた。

 

Twitterもやっておりますので、そちらもよろしくお願いします。

twitter.com

 

 

オーディンってどんな神様?ゲームキャラで神話解説北欧神編

至高神オーディン

f:id:mattairakun:20200414001759j:plain

FINAL FANTASY14【蛮神オーディン

どうもどうも、へーです。

今回ご紹介するのは、北欧神話よりオーディンです!

ゲームで最も題材にされる神話と言えばなんといっても「北欧神話」ですよね。いつも紹介にしているパズドラやモンストなどのスマホゲーでも頻出しますが、他にもファイナルファンタジーシリーズや、GOD OF WARシリーズがありますし、アニメでもああっ女神さまっとか(年がばれるチョイス)、ベルセルクとか、Fateシリーズとか、、、

 

挙げるとキリがありませんが、そんな北欧神話における最高神が、今回紹介するオーディンです。

 

目次

 

 

荒々しい天地創造

さて、神話と言えば天地創造ですが(?)、北欧神話におけるそれは非常に荒々しいです。

オーディンは原初の神ブーリの孫で、半巨人ボルの息子として生まれます。

彼にはヴィリとヴェーという兄弟もおり、この3兄弟が天地を創造することになります。

 

この世界には、神々とは別に巨人がいましたが、彼らは非常に凶暴で、神々の勢力とは常に対立していました。

そこで彼らはまず、世界に最初に生まれた存在であり、巨人の王ユミルを殺害します。

 

ユミルの殺害に成功した彼らは、その死体を解体し、それぞれの体の部位から大地や天などの世界そのものを作り、解体しているうちに腐った肉に湧いてきた蛆から妖精を作り出しました。

 

これが北欧神話における天地創造です。

 

隻眼の王

f:id:mattairakun:20200414002738j:plain

パズドラオーディン、彼の容姿は隻眼、大きな帽子など、特徴的な所が多いですね

 

非常に血なまぐさい始まり方をした北欧神話ですが、ここからはさらにオーディンにフォーカスしてみましょう。

 

彼の特徴といえば、隻眼、大きな帽子、2羽のカラスでしょう。

隻眼になったエピソードからは、彼の知識に対する異常なまでのどん欲さが伺えます。

 

彼はユグドラシルの根元にある知恵の泉、ミーミルに湧く蜜酒を飲む代償として片目を捧げました。

この蜜酒を飲むと英知を得られると言われており、彼はこれを飲んだことによって魔術を会得しました。

 

隻眼になった彼は、それを隠すためにいつもの大きな帽子を被っているという話もあります。

 

そして、彼が飼っている二羽のカラス、フギン(思考)ムニン(記憶)は、夜明けに飛び立ちあらゆる情報を集め、夜に帰るとオーディンの肩に留まり、それを伝えたとされています。

 

こうしてオーディンは世界のあらゆる知識と情報の支配者となります。 

 

オーディンのドン引きエピソード

f:id:mattairakun:20200414003114j:plain

ユグドラシル

出典:Wikipedia

彼には、正直ドン引きなエピソードも沢山あります。

と、いうかそもそも北欧神話はかなり血なまぐさい物語が多いので、その最高神であり、死神と称されることもあるオーディンですから、そりゃまあエグいエピソードのひとつふたつあってもおかしくはないわけです。

 

・自分自身を生贄にした男

最初に紹介するのは、「自分自身を生贄にした」というエピソードです。

何を言っているのかわからんと思いますが、神話に登場するこの手のエピソードはわかっても意味わからん(?)ので安心して読み進めてほしい。

 

オーディンユグドラシルの木で首を吊り、グングニルの槍を自らに突き立て、それを九日間続けて最高神オーディンにその身をささげました。

つまり自分に自分を生贄としてささげたってことですね。

それによって、かの有名な魔力を持つ文字ルーン文字を手にし、魔術の使い手になりました。

 

ちなみにですが、彼は神ですので死にませんでしたが、その後自身の詩の中で泣き叫んでいたと自白しているので、すごく痛かったようです。

それでもやり通すんですから、どこまでも力にどん欲な神様なんですねえ。

 

 

ベルセルク

漫画等でも有名なベルセルク。そこにもオーディンが深くかかわっています。

 

オーディンヴァルハラ(戦死者の館)に住んでいます。

ヴァルハラには戦死者たちの魂が集められており、その魂達はオーディンの配下の戦士として、あらゆる敵を蹂躙しました。

戦いの時、この戦士たちは甲冑もつけずに行軍し、非常に野蛮で、ベルセルクの激情と呼ばれる興奮状態で、人々を皆殺しにしました。

その狂戦士たちのことをベルセルクと呼び、それを英語読みしたものがバーサーカーというわけです。

 

ヴァルキリーとオーディンの戦士たち

f:id:mattairakun:20200414004148j:plain

パズドラよりヴァルキリー。こんな美女が迎えに来てくれるならと思った勇者もいたとかいないとか

 

オーディンの住むヴァルハラ(戦死者の館)は、神々の世界アースガルズにあり、その中でももっとも高地にある、グラズスヘイムにあり、そこからは世界のすべての戦場が見渡せました。

そこから戦乙女ヴァルキリーを送り込み、戦場で散った勇者の魂を集めさせていました。

オーディンはそれだけではなく、時々まだ生きている勇者と自ら戦って倒したり、国同士を争わせ、戦争を起こしたりと、非常に積極的に戦士たちを増やしていきました。

 

まあ人間サイドからするとたまったものではありませんが、死してヴァルハラに行くというのは最高の名誉だったので、オーディンへの信仰が失われることはなかったそうです。

 

 

終戦ラグナロク

さて、彼は知識を探求した結果究極の情報、つまり予言の能力すら手に入れることとなります。

そして自らの予言により、神々と巨人族、お互いの存亡をかけた終戦ラグナロクに突入し、その際に灰色狼の呑み込まれて命を落とす、という自らの死の宿命すら知ってしまうことになります。

その宿命を回避するために、彼は死したヴァルハラの戦士達エインヘリアルを集め、戦力の増強を図っていましたがそれでも結果は変えられず、ラグナロクが起きると予言の通りの最期を迎えました。

 

最期に

以上が最高神オーディンの紹介でした!

北欧神話といえば、かなり血なまぐさいエピソードが多く、今回ご紹介したエピソードも穏やかじゃないものが多かったかと思いますが、神々の恋愛事情なんかも調べてみるとなかなか面白かったりしますので、興味がある方は是非調べてみてくださいね!

 

コメント頂ければその辺の解説もしようと思いますので、興味があればお気軽に!

 

※補足、もうちょっと面白くなる豆知識

 

13が不吉な数字であるわけ

13が不吉な数字っていうのは皆さんご存じかと思いますが、なぜ不吉だと言われるんでしょうか?

一番有名な話はおそらく、イエス・キリストとその弟子達を描いた「最後の晩餐」において、13番目の席についているのがキリストを裏切った13番目の弟子ユダで、さらにキリストが処刑されたのが金曜日だったから13日の金曜日が不吉とされるようになったってあたりの話でしょうか。

 

様々な説がありますが、北欧神話においても、13が不吉とされるエピソードがあります。

 

ラグナロクにおいて、オーディンを丸呑みにしたフェンリル

このフェンリルですが、実はロキという悪戯好きの神の息子なんですね。

(オーディンの愛馬であるスレイプニルや、大蛇の怪物ヨルムンガンドも彼の息子です。)

 

ある日、12人の神が招待され、宴が催されていました。

そこに招待されていないはずの13人目の神、ロキが乱入し、暗殺を画策し、それが後にラグナロク開戦の原因になりました。

 

それが、13という数字が不吉とされる理由の1つとされています。

 

と、北欧神話も興味深いエピソードが多く、話は尽きませんが、ひとまずこのあたりにしておこうかと思います。

 

ここまでご覧いただいた方、ありがとうございます。

ブログ開設に伴い、Twitterも始めましたので是非フォローお願いします。

twitter.com

解説してほしい神、ゲームやアニメのキャラクター、用語やエピソード考察など、気になることがあれば是非コメントでもメッセージでも、お気軽にご連絡ください!