ハーデスってどんな神様?ゲームキャラで神話解説ギリシャ神話編
冥府の王ハーデス
どうもどうも、へーです。
今日は様々な作品に取り上げられる割になにかと不遇な神ハーデスの解説です!
不運が重なり、やさぐれてしまったみんなの兄貴の話、謹んで語らせていただきます。
目次
本来神々の王になるのはハーデスだった?
冥府の王ハーデスは二代目神々の王クロノスと、大地の女神レアの息子で、全能神ゼウスの兄にあたります。
不遇な神ハーデスは生まれたその時からさっそく不運に見舞われます。
父であるクロノスは当時二代目の神々の王でしたが、初代神々の王ウラノスから王座を奪った後、母ガイアとの約束を守らなかったため、それに激怒した母から「お前もまた己が子によって、その座を奪われる」と予言されていました。
(このあたりの詳細はゼウスの回で書いてありますので、気になる方はこちらをどうぞ!)
恐怖したクロノスは生まれたばかりのハーデスを丸呑みにしてしまいます。
神であった彼は不死だったので、死ぬことはありませんでしたが、クロノスの腹の中は時が止まっていたため、生まれたばかりで成長することもなく、いつか再び世界に出る時を待つこととなります。
クロノスはその後生まれたポセイドンも飲み込んでしまいましたが、6番目に生まれた子供ゼウスだけは、母レアと祖母ガイアの機転により回避することになります。
成長したゼウスはクロノスに嘔吐薬を飲ませ、兄弟達はついに腹から脱出することになりましたが、飲み込まれた順番とは逆の並びで吐き出されたため、本来長男だったハーデスが、男神では最後に吐き出されることになってしまい、長男であり末弟ということになってしまいました。
さらに時が止まっている間にゼウスはすでに成人していましたが、ハーデスはまだ子供でした。
そんな事情が重なり、後にクロノスに対して宣戦布告し、開戦したティタノマキアでもオリュンポス神達を率いるのはゼウスとなり、クロノス打倒に成功すると、三代目の神々の王座にはゼウスが就くこととなりました。
冥府の王ハーデス
オリュンポスの神々とティターン神族との戦争ティタノマキアでハーデスは、キュクロプスから姿を消せる兜を授かり、そのおかげもあってゼウスにも劣らないほどの大戦果をあげました。
その活躍もあり、ついにティターン神族たちとの戦争に勝利することができましたが、末弟になってしまったハーデスではなく、ゼウスが神々の王の座に就くことになります。
その後、ゼウス、ポセイドン、ハーデスの三人で世界を分割統治することになった際に、ハーデスは冥府を管理することになり、暗黒の地下世界に住まうことになりました。
地下世界を管理する彼は、オリュンポスに上る機会もなかなか無いため、基本的にオリュンポス十二神にも数えられていません。
そして冥府の王、死者たちの王である彼は次第に忌み嫌われる存在となってしまったのでした。
書いてて悲しくなってきたな。。。
余談(豆知識)
漫画ワンピースに古代兵器プルトンという兵器が登場しますが、プルトンとは「富める者」という意味で、それはこの冥府の王ハーデスの別名なんです。
ワンピースにおける古代兵器プルトンが一体何なのか、まだ答えは出ていませんので、どんな意味が隠されているのかはわかりませんが、ここから色々考察することもできるかもしれませんね!
ハーデスの恋路と四季の誕生
冥府には、ティタノマキアで敗れ去ったティターンの神が幽閉されており、その怨嗟の声を浴び続けたハデスは次第に冷酷で、邪悪な性格になっていきます。
そんな彼ですが、ある日野に花を咲かせている少女を見かけ、一目惚れしてしまい、なんとそのまま冥府に誘拐してしまいます。
その少女こそが、ハーデスの妻で、全能神ゼウスと豊穣の神デメテルの子、ペルセポネでした。
母であるデメテルは当然激怒し、豊穣の神としての仕事を放棄し、大地に穀物が実らなくなってしまいました。
困ったゼウスはペルセポネを地上に戻すようにハーデスに命じます。
ハーデスはしぶしぶ了承しましたが、地上に帰れる喜びに浮かれたペルセポネに、冥府の食べ物である柘榴の実を食べさせてしまいます。
出された柘榴の実を4粒食べてしまったペルセポネは、冥府の食物を食べたものは客人として、そこに留まらなければならない、という規則によって、冥府で過ごさなければいけなくなってしまいました。
ペルセポネは地上に戻りましたが、再び冥府へと戻らなければなりません。
そこでゼウスはオリュンポスの神々から意見を募り、最終的に1年の3分の1は冥府に留まることとし、残りの3分の2は地上に戻れるように裁決を下すこととなりました。
ゼウスとデメテルは仕方なくペルセポネを妻とすることを認め、ハーデスとペルセポネの二人は夫婦ということになりました。
ペルセポネが冥府に行ってしまうと、その期間デメテルは悲しみ、その時期は寒い冬となり四季が生まれたと言われています。
冷え切った夫婦生活と意外な嫉妬
晴れて夫婦となったハーデスとペルセポネですが、当然のように夫婦生活は冷え切っていました。
ペルセポネとしては突然誘拐され、監禁され、帰れると思った矢先に騙され、親が勝手に承認したせいで誘拐犯と結婚することになったというとんでもない境遇なので、そりゃああたりまえなんですが、ハーデスの境遇も考えると、突然目の前に現れた光に手を伸ばさずにはいられなかったんでしょう。
しかし、次第にその関係に疲れてしまったハーデスは、メンテーという美しいニンフと不倫してしまいます。
それに気づいたペルセポネは、意外にも嫉妬に狂い、不倫相手のメンテーを踏みつけると、「お前などくだらない雑草になってしまえ」とミントの葉に変えてしまいました。
後に英雄ヘラクレスが冥府に来た際には、冥府の女王としてハーデスの傍らに控えていたそうなので、案外その後の夫婦仲はうまくいっていたのかもしれないですね。
最期に
以上が、ハーデスの解説となります。
なんだか不幸なエピソードが多くて切ない神様ですが、一番可哀そうなのは、神話に残っているハーデスのエピソードがとても少ないということかもしれません……。
せめてその後の夫婦生活が円満だったことを祈って。
余談その2
半人半神の英雄ヘラクレスがミュケナイの王エウリュステスの命により、ハーデスの元を訪れ、ケルベロスの貸与を願い出た際に、「傷つけないならいいよ」とこれを許可しました。
ヘラクレスがケルベロスを地上に連れ出すと、日の光を浴びたケルベロスは狂乱して涎をたらし、その涎から生まれたのがトリカブトだと言われています。
こういう小ネタこそ神話の面白さかもしれませんねえ。
以上、ハーデスの解説でした!
ゲームやアニメ等、楽しむ際の一助になれば幸いです。
Twitterもやってますので、是非フォローをお願いします。
解説してほしい神、天使、モンスター、武器、エピソードや、考察してほしいアニメなどあれば、DMでもリプでもコメントでも、是非お気軽にお申し付けください!