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ゼウスってどんな神様?ゲームキャラで神話解説ギリシャ神話編

不倫と浮気のかm

全能神ゼウス

f:id:mattairakun:20200403202553p:plain出典:

アニメ「モンスターストライク」公式サイト|キャラクター紹介|ゼウス


前書き 

どうもどうも皆さんこんにちは。

中二病が治ってきてしまい焦りが隠せない、へーと申します。

 

せめてもの抵抗として、全国のアニメ・ゲームファンが、よりコンテンツを楽しむための一助ができればと思い、「調べるのはめんどいけど知ると少し楽しい」知識をみなさんにお伝えすることにしました。

 

さて、前置きはこの辺にして、今回ご紹介するのはギリシャ神話より”全能神ゼウス”です!

 

ゲームでもアニメでも、ギリシャ神話を題材にしている作品では必ずと言って良いほど登場する、超有名キャラクターですが、彼こそギリシャ神話における、第三代目神々の王なのです。

雷を放つひげ面のじいさんで隙あらば神罰を与えてくる的なイメージがあるかもしれませんが、神々の王の座についてからは、奥さんがいるにもかかわらず他の女神や人間の女性と浮気しまくったり、その上超面食いだったりと、なかなか人間臭い一面も持ち合わせています。

それに激怒した奥さんが浮気相手やその子供に神罰を与えたり、試練を与え、それを乗り越えて英雄が生まれたり、英雄が倒した怪物が星座になったりと、神話は色々な展開を見せていくことになります―――。

 

 

 

さて、前置きはこのへんで終わりにして、ゼウスの解説を始めましょう。

さきほども書きましたが、彼はギリシャ神話における神々の王としては三代目となります。誕生の話も逃せない興味深いエピソードとなっていますので、ギリシャ神話の始まりから、順に解説していくことにします。

では、知っているとゲームやアニメがもう少し楽しくなるゼウスの話を始めましょう!

 

[目次]

 

 

神々の誕生

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パズドラより大地の女神ガイア

 

この世には光も形もなく、ただカオスという空隙(すきま)がありました。
そこに大地の女神ガイア、冥界タルタロス、愛の神エロスが生まれ、ガイアは他に天空の神ウラノスや、海洋の神ポントスを生みます。

 

彼らが、ギリシャ神話における原初の神々です。


そして、大地であるガイアと天空であるウラノスは結ばれ、天地を創造し、次なる世代の神々を生み出すことになります。

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パズドラよりウラノス

ガイアとウラノスの間にはテミス、レア、ヒュペリオン、コイオス、ムネモシュネ、テティスといったティターン族と呼ばれる神々が生まれ。

 

ここに初代神々の王、ウラノス政権が樹立しました。

 

ですが、ガイアとウラノスの間にはティターン族の神々とは別に、一つ目巨人のキュクロプス族、50の頭と100の腕を持つヘカトンケイル族も生まれ。

それを嫌ったウラノスは、キュクロプスヘカトンケイルを冥界に閉じ込めてしまいます。

わが子を閉じ込められたガイアは激怒して、ティターン族兄弟の末っ子、クロノスに鎌を持たせ、寝室に忍ばせます。

何も知らないウラノスは、夫婦の時間に寝室に現れたところを、潜んでいたクロノスに襲われ、お〇ん〇んを切り取られ、神威を失い王の座を追われました。

こうして、ガイアの怒りをとんでもない形で収めることに成功したクロノスですが、元々の原因だったはずの幽閉されたキュクロプスヘカトンケイルについては、その巨大な力を恐れ、解放しようとはしませんでした。

 

ガイアはそれに激怒し、クロノスに一つの予言を投げかけます。

 

「お前もまた、己が子によってその座を追われることになる」

 

クロノスはその呪いともとれる予言に苦しみ、それが後に起こる神々の大戦争へと繋がることになります。

 

クロノスの時代、神々の戦争

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左:モンストより「果てなき時の管理者 クロノス(獣神化)」右:パズドラより「覚醒クロノス」。モンストのクロノスについては闇属性だが、パズドラのクロノスについては木属性で、スキルもアースヘイズ→クレイホールと大地を思わせるものとなっている。名前からもわかる通り、モンストのクロノスについては時の神クロノス、パズドラのクロノスについては農耕の神クロノスをそれぞれ題材にしていると思われます。どちらかが間違いというわけではなく、別の神なのかと聞かれるとそうとも言えない。話によっては同一の神と言われることもあれば、別の神だと言われることもあるわけです。神話ならではの複雑さがよく表れた図式だと思います。




ウラノスを王の座から追いやったクロノスは神々の王となり、同じくティターン族で、妹のレアを妻にむかえます。

二人の間には子供が生まれますが、その時クロノスはガイアからの予言を思い出してしまいます。

 

「お前もまた、己が子によってその座を追われることになる」

 

恐怖したクロノスはなんと、生まれた子供を丸呑みにしてしまいます。

当然レアは大変悲しみましたが、クロノスは予言の恐怖に勝てず、その後に生まれる兄弟たちも次々と丸呑みにしてしまいます。

 

長女のヘスティアに続き、次女デメテル、三女ヘラ、長男ハデス、次男ポセイドン、、、

 

クロノスはついに5人もの兄弟を飲み込み、レアは続いて6人目の子供を身ごもります。

5人の子供を飲み込まれ、悲しみに暮れていたレアは、母であるガイアに相談することにします―――。

 

6人目の出産を終えたレアは、ガイアの助言を受け、ここで一策を講じます。
クロノスにわが子を渡す際に、産着で包んだ石を代わりに渡すことにしたのです。

策は功を奏し、クロノスは手渡された石の包みを6番目の子供と勘違いし、兄弟たちと同様に丸呑みにしました。

そうして救われることとなったのが今回の主役ゼウスです。

 

ゼウス誕生、そして神々の大戦争

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パズドラよりゼウス


無事に丸呑みされるのを逃れたゼウスですが、そのままレアに育てられていては、いつクロノスに気づかれるかわかりません。
レアはゼウスをクレタ島に逃がすことにし、ゼウスはそこで成人するまでを過ごすことになります。


クレタ島で無事成人したゼウスは、父であるクロノスに反旗を翻すことを決意します。

(レアはゼウスの成長の様子を、蜜蜂を通じて見守っていたそうですよ。) 

 

ゼウスはまず、丸呑みにされた兄弟たちを助け出すため、思慮の女神メティスに頼み、嘔吐剤を作ってもらいました。

ネクタル(神酒)にそれを混ぜると、ゼウスの作戦通りクロノスはこれを飲み、飲み込まれていた兄弟たちは次々と吐き出されてきました。

 

吐き出される際に、飲み込まれたのとは逆の順番で吐き出されることになり、これを第二の誕生と捉えて、兄弟の順番が入れ替わることになりました。

それによって、兄弟の中でも、1番の権力を有するのは、本来長男であるハデスではなく、末っ子のゼウスということになりました。

 

(クロノスの腹の中は時が止まっており、吐き出された兄弟たちはまだ幼かったという事情もあります。農耕の神であるクロノスが、時の神と同一視されることがあるのも、それが一つの要因になっているでしょう。)


無事救い出した兄弟たちを味方につけると、ゼウスはオリュンポス山を拠点に、現神々の王、クロノスに対して宣戦布告します。

クロノスの兄弟たち、ティターンの神々はクロノスの陣営に付き、ここからティターン族の神々と、オリュンポスの神々による神々の戦争「ティタノマキア」が開戦することとなりました。

 

ティタノマキア~神々の王ゼウス

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モンストよりゼウス。手には稲妻を持っていますが、実はこの時のゼウスはまだ雷の力を持っていませんでした。

 

ついに始まったクロノス率いるティターン神VSゼウス率いるオリュンポス神の戦争、ティタノマキア。

実のところ戦力には差があったようで、ティターン族の長男オケアノスや、ティターン族の女神たちは戦争が始まってからいちはやくオリュンポス側に組したのですが、それでも戦力は拮抗し、実に10年もの間戦い続けることとなります


この膠着状態を打開するため、ゼウスはガイアに助言を求めます。

その結果、クロノスが行った暴挙の要因にもなった、冥界に幽閉されていたキュクロプスヘカトンケイルを開放し、助力を願うことになります。
長い幽閉生活から解放されたキュクロプスヘカトンケイルはゼウスに協力し、その際鍛冶を司っていたキュクロプスは、ゼウスに雷霆、雷の力を送りました。

 

ゼウスといえば雷というイメージがありますが、その力はここで授けられたものです。

(ちなみにヘカトンケイルは巨大な岩をぶん投げまくっていたそうです。超パワープレー。)


この力をもって、ゼウスはついにクロノス率いるティターン族を倒し、そしてついに第三代目神々の王、ゼウス政権が成りました。


長くなりましたが、ここまでがゼウスが神々の王になるまでの概要となります。

ここまでの話も、深堀すると面白い話が沢山あるのですが、一つ一つ解説してしまうと半年くらいかかりそうなので、今後じわじわ解説していこうと思います。

 

その後の世界、恋多き神ゼウス

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左:モンストより嫉妬の女神ヘラ 右:パズドラよりヘラ二クス。ゼウスの三番目の奥さんであるヘラ。嫉妬深いことで有名ですが、実は可愛らしいエピソードもちょこちょこあります。ですが、彼女の嫉妬深さによって、今後のギリシャ神話はとても面白い展開を見せます。

 

 

はてさて、ここまで世界の始まりからゼウス政権樹立までを話してきましたが、強く逞しい神というだけでは終わらないのがゼウスであり、ギリシャ神話が多くの人に愛される所以でもあります。

ざっくりと、思いつく限りゼウスの交際相手を挙げてみると、、、

 

メティス、ヘラ、レト、ディオネ、イオ、マイア、デメテルエウロペレダ、セメレ、テミス、ムネモシュネ、エウリュノメ、アルクメネ、ダナエ、、、

 

まあこんだけ好き勝手やりゃあヘラが嫉妬深いとか以前の問題です。

さらにこの交際相手(浮気じゃない相手も含まれてますが)は一同まとめて絶世の美女ってんですからまあ面白くないですよね。

 

最終的に正妻は誰なんだ!と言えば、それはヘラになりますが、ヘラは三番目の奥さんです。

最初の奥さんは知恵の女神メティス。兄弟たちを助ける際に使った嘔吐薬を作ってくれた女神ですね。

彼女との間には知恵と戦いの女神アテナが生まれました。

(ゲームなどでよくミネルヴァという名前を聞くかと思いますが、ギリシャ神話ではアテナ、ローマ神話ではミネルヴァと、同一視されている神様です。)

このアテナ誕生の経緯も面白いです。

 

メティスを最初の妻に迎えたゼウスですが、その際に「自分も子供に王の座を奪われるのでは……?」と不安になります。

そこからどう結論付けたらそうなるのか訳がわかりませんが、妻であるメティスを丸呑みにしてしまいます。

ウラノス、クロノスに続きゼウスもわが子を恐れ暴挙に出たわけですね。

その時、メティスはすでに妊娠していました。

 

メティスは生まれる前のわが子に鎧や剣などの装備一式を装備させ、自身はゼウスと融合してしまいます。

(生まれていない子にどう装備させたのか、とか細かい話は抜きです。神なんで。)

 

メティスを飲み込んでからほどなくして、ゼウスは激しい頭痛に見舞われます。

耐えかねたゼウスは鍛冶の神ヘパイストスに自分の頭を割るように命じます。

 

ヘパイストスがゼウスの頭をかち割ると、中から装備一式に身を包んだアテナが飛び出してきました。

すでに成人した姿で誕生したそうなので、それはそれは痛かったことでしょう。

 

二番目の奥さんはテミス。天秤と剣を持ち、司法の公平性を司っています。

彼女との間にはプロメテウスが生まれました。

プロメテウスは人間を作ったり、神々と人間の食糧分配で人間を贔屓したりと、人間の味方でした。

あくる日、ゼウスは傲慢になった人間から火を取り上げることにします。それを可哀そうに思ったプロメテウスが密かに人間に火を与えると、ゼウスは怒り、プロメテウスをコーカサス山に磔にし、禿鷹に肝臓をついばませるという非常にえげつない刑にかけます。

プロメテウスは不死身だったので、食われた肝臓は再生し、再生したらまた食わるという、まさに終わりのない無限地獄。

この刑は英雄ヘラクレスに解放されるまで、なんと3万年も続いたそうです。

 

そして、三番目の奥さんがヘラです。

クロノスの腹から出てきたヘラは見事に美しく育ち、是非我がものにしなくては!と決心したゼウスは、カッコウの姿に化けて夜這いを仕掛けます。

しかしそこは貞操を司る女神ヘラ、すでにテミスと結婚していたゼウスの求愛を断固拒否。

ヘラは身体を許す条件として結婚を提示したので、ゼウスはしぶしぶテミスと離婚し、ヘラと結婚することになりました。

 

(昔の話だし、一夫多妻だったんちゃう?と疑問を持たれることもありますが、古代ギリシャでは一夫一婦制が重要視されていましたので、ゼウスは不倫野郎で間違いないです。)

 

と、まあその恋愛事情において、ゼウスはとんでもねぇやつですが、この不倫騒動の中生まれた子供達が神話を紡ぎ、人間との間に生まれた子供が半神半人の英雄になり、人間との間に生まれた美しすぎる娘がかの有名なトロイア戦争のきっかけになったりと、様々な物語に繋がっていくことになります。
英雄は怪物を倒し、壮絶な死を遂げ、神になり、星座になり、伝説になり、次なる英雄の道しるべになります。


ゼウスの逢瀬がきっかけに広がっていった物語は、僕らの知っている神秘の世界を構成するのに必要不可欠なものなのです。

 

ゲームでのスキルと関連する小ネタ。

さて、ここから少しゲームでのスキルについて、その由来になっているであろうエピソードを少し話してみましょう。

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パズドラよりゼウス

さて、今回はパズル&ドラゴンズよりゼウスですが、彼のスキルはラース・オブ・ゴッド

(現在はさらなる進化形態が出ていますが、基礎となるこの形態で考えることにします。)

ラース・オブ・ゴッド、つまりは「神の怒り」ってことですね。

ゼウスが怒り、神罰を下すエピソードは数多くあります。

先に述べたプロメテウスの件もそうですし、貧しい旅人のふりをして、人間と行動を共にした際に人間に失望し、人間を絶滅させようと洪水を起こしたりと、いわゆる神罰を下すエピソードもあります。

 

ギリシャの人々にとっての信仰とは、神に破滅させられないように気を付けるという意味だ。」

 

なんて言葉があったりします。

 

一つ代表的な神罰のエピソードを紹介すると、なんと自分の妻であるヘラに罰を下したことがあります。

ある日、ゼウスの浮気に耐えかねたヘラが、オリュンポスの神々に助力を頼み、反乱を企てます。

オリュンポスの神々は昼寝しているゼウスをベッドに縛り付け、自由を奪いました。

眠りから覚めたゼウスは身動きが取れないことに気づきますが、拘束していたのは頑丈な鎖で、どうにもなりません。

ヘラの企てた順調で、このまま反乱は成功するかと思われましたが、残念ながらここまででした。

神々の隙をついたヘカトンケイルが現れ、ゼウスを拘束していた鎖を断ち切り解放します。

 

神々の反乱を潜り抜けたゼウスは、反撃に転じ、ヘラを空に宙づりの刑に処し、オリュンポスの神々には頑強なトロイアの城壁を作らせました。

 

と、身内でも自分には向かえば容赦なく罰を下すのがゼウスというわけです。

 

神の怒りエピソードの中では比較的マイルドな話ですが、こうして神の怒りに触れれば罰を与えるゼウスですから、自身の能力として怒りが特筆されるのも自然でしょうね。

 

(浮気やら不倫はネタにはなってもスキルにはしにくいですしねえ。しかもゼウスは異性を引き付けるというよりは、積極的なアプローチが売りですしね。)

 

最後に

 

さて、ここまでゼウスのことを散々言ってきたわけですが、最後に擁護しておくことにします。このゼウス不倫神物語の原因ですが、神話が広がっていく際に、多神教の特性として、地域ごとの民間伝承を吸収していったものと考えられます。

伝承に神の威光を与えるには、ゼウスの系譜であるとするのが一番自然だったのではないでしょうか。

 

と、いうことで、ゼウスの解説は以上です。

途中名前が出た神々にも大変面白い話が沢山ありますので、おいおい解説出来たらなあと思います。

 

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