アルテミスってどんな神様?ゲームで神話解説ギリシャ神話編
月の女神アルテミス
どうもどうも、へーでございます。
今回は悲しい物語に彩られた月の女神アルテミスの紹介ですよ。
ゼウスの子らの中でも最も偉大と称されることもある彼女、どんな神様なんでしょうか!
んでは解説どうぞ。
目次
双子の神
月の女神アルテミスは、対を成す太陽の神アポロンの双子の妹です。
この双子は共に弓の名手で、兄アポロンは太陽をモチーフにした金の弓矢、妹のアルテミスは月をモチーフにした銀の弓矢を操ります。
その腕前はすさまじく、月の女神であると共に狩猟の女神と呼ばれるほどです。
また、父である全能神ゼウスに永遠の純潔を誓い、自らの従者にも恋愛を禁じたことから、処女神としても有名です。
母レトの受難(ほぼ母とゼウスの話なので興味がなければ次項をどうぞ。)
アルテミスは全能神ゼウスと女神レトとの間に生まれました。
ギリシャ神話をご存じの方なら察するかと思いますが、ゼウスはすでにヘラを正妻に迎えていました。
(ほんといっつも浮気してんなこいつ)
ゼウスはウズラに化けてレトの寝室に忍び込み、子を成したそうです。
どう考えてもゼウスが悪いと思いますが、全能神ゼウスを裁くわけにもいかないヘラの怒りは、悲しいかな被害者であるレトに向くことになります。
ヘラの怒りはすさまじく、レトに出産の場所を与えないために、「一度でも太陽が照らした場所では出産させないように」と世界中の土地に命じます。
その妨害工作は命に背く土地がいないように、虹の女神イリスと戦の神アレスに監視さるという徹底ぶりで行われました。
すでに妊娠していたレトは、出産する地を求めて世界中を旅することとなります。
旅の道中も決して穏やかなものではなく、レトの子に自分が殺害されるという運命を知ってしまった、予言を司る蛇の怪物ピュトンが彼女を追いまわしたり、ヘラが遣わした巨人ティテュオスに襲われたりと、困難の連続でした。
レトはなんとか危険を逃れ、更なる放浪の末にオルテュギアー島にたどり着きます。
この島はかつてレトの姉妹で、アステリアと呼ばれる女神でした。
神話特有のぶっ飛び設定ですが、このアステリアもかつてゼウスに気に入られ、受け入れなかったがために怒りを買ってしまい、浮島に姿を変えられてしまったという悲しい存在です。
(全能神夫婦に目をつけられたら終わり。はっきりわかんだね。)
オルテュギアーで出産することに決めたレトでしたが、それは大変な難産でした。
というのも、ヘラが出産の女神エイレイテュイアを神殿に閉じ込めてしまい、その祝福を受け取れなくしてしまったからでした。
さすがに可哀そうに思った虹の女神イリスは、ヘラの隙を見計らってエイレイテュイアを連れ出し、ようやくレトは無事出産を終えることができました。
豆知識コーナー
虹の女神イリス(iris)は英語読みでアイリス。
目の瞳を構成する虹彩(アイリス)はここから来ています。
狩猟の神アルテミスと、唯一気を許した男オリオン
アルテミスは狩猟の女神ですが、森や自然、動物の守り手でもありました。
その為、必要以上の狩りを行った狩人には厳罰を与えるなど、基本的な性質は優しい女神です。
(母レトは神々で最も柔和な女神だと言われています。)
しかし、水浴びしているところを偶然目撃した狩人を鹿の姿に変え、狩人自身が連れていた犬に八つ裂きにさせるなど、冷酷な一面も持ち合わせています。
そんな彼女ですが、一人だけ心を許した男性がいます。
それが海神ポセイドンの息子で、ギリシャ随一の猟師オリオンでした。
狩猟の女神であるアルテミスと、ギリシャ一番の狩人であるオリオンは次第に惹かれあい、仲を深めていきます。
次第に神々の間でも、二人は結婚するのでは?と噂が流れるようになりますが、双子の兄であるアポロンは二人の関係をよく思っていませんでした。
妹のアルテミスが純潔を司る処女神であり、恋愛など許されないというのと、なにより粗暴なオリオンのことが気に入りませんでした。
ある日のアポロンは、大地母神ガイアに「オリオンのせいで動物が絶滅してしまう」と、嘘の告げ口をします。
それを聞いたガイアは、仕方なく巨大なサソリをオリオンの元に送り出すことにしました。
アポロンは、サソリの姿を目にしたオリオンが驚いて海に逃げ込むのを見ると、アルテミスの弓の腕前を馬鹿にし、「弓の名手だと言うならあれを打ち抜いて見せよ」と挑発しました。
遠くにいたためオリオンと気が付かなかったアルテミスは、弓を引き絞り、彼の頭を射抜いてしまいました。
翌日、彼の遺骸を発見したアルテミスは、どうか生き返らせてほしいと、医師のアスクレピオスを訪ねるが、全能神ゼウスや冥界の王ハーデスに反対され、叶わなかった。
代わりにゼウスはオリオンを天に昇らせ、アルテミスを慰めました。
こうして、オリオン座が誕生しました。
ちなみにですが、オリオンを海に追いやったさそりはさそり座になりました。
これは別世界線で傲慢だったオリオンを刺し殺した褒美だそうです。
アルテミス萌えエピソード?
大変気が強いイメージがあるアルテミスですが、トロイア戦争の際、トロイア側に加勢していたアルテミスは、最終局面で女神ヘラと対決することになります。
アルテミスは弓を引きますが、一瞬で間合いを詰められ、弓を叩き落されるとそのまま一方的に格闘でぼこぼこにされて敗北。
涙ながらに逃走し、父ゼウスに慰められたそうです。
最後に+ちょっとした雑学コーナー
さて、アルテミスの解説は以上です!
ちょっとした小話というか、雑学程度ですが、母レトの出産の場面、実はアルテミスが先に生まれ、助産師としてお産を手伝ったという説があります。
(妹ちゃうんかい!ってなると思って補足に書きましたが……笑)
そこから出産の守護者と呼ばれることもあります。
また、女魔術師の保護者とも呼ばれる闇の女神ヘカテーと同一の神であると言われることがあります。
ヘカテーは冥界の地獄の側面表し、魑魅魍魎を操る恐ろしい女神ですが、彼女が一番力を増し、生者の世界と死者の世界の境界が曖昧になった時期に、魔女たちは祈りを捧げ、未来を占ったとされます。
その時期が実はハロウィンだったりします。
元々のハロウィンは古代ケルトに起源がありますが、どこかのタイミングで民間伝承や祭りが混ざり合って行って、やがて今の形に移り変わっていったんでしょうねえ、面白い。
このあたりの話は興味があれば今後がっつり語りたいと思います!
悪魔崇拝とか都市伝説的な話にもつながっていって非常に面白いですよ!
それでは今回はこのあたりで、お疲れさまでした。
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